
日舞の先生三味線奮闘記5(習い事のコツを知りましょう)
更新日:2021年4月28日
「調弦3年ツボ8年」三味線の格言です。 三味線の調弦の大切さは、三味線を習得しておおよそ10年してようやくわかることのようです。
三味線は原則師匠から学ぶものです。」だそうですが、調弦・チューニング・調律なども、三味線を習っていくうちにできるようになる!の精神で、(昔ながらのやり方)
自分の三味線の音を出すと先生が「もっと上げて、ちょっと下げて」のようにチューニングしてくれます。
お教室ではいいのですが、自宅でお稽古を始めようと思っても
以前買った調子笛の使い方も知らないので、またまたネット検索!
こんな調子だといつになったら弾けるようになるの(イラ!)
音を合わせようとしても、あっているのかも分からず、先生の録音と一緒に弾いてみると全然あっていません。
こんなもので多くの時間を割いていたらいつまでたっても上達しないと思い、
スマホアプリ:「三味線チューナー」を活用しました!
最初はアプリで簡単に音を合わせていましたが、後で苦労します!
急がば回れ!やはりまず自分で調子笛を使って、合わせる努力をしましょう!
耳が慣れないうちは、最終的にアプリを使うのがよい使い方だと後で気付きました。
そこで調弦の基本を知っておくと進みが早いですので、以下参考にしてみてください。
目次

1. 三味線の調弦(チューニング、調律)の基本
2. 調弦器1:調子笛
3.調弦器2:専用チューナー
4.調弦器3:スマホアプリ
5.最終的には自分の体で覚える
(1)三味線の調弦(チューニング、調律)の基本
三味線を演奏する前に必須となるのが、調弦(チューニング、調律)です。 三味線の三本の弦には決まった音程があり、それを1本ずつ正確に合わせていきます。
①用語「本調子、二上り、三下り」
三味線の調弦には「本調子」「二上り(にあがり)」「三下り(さんさがり)」の3種類があります。
開放の音(弦を押さえない音)を出したとき、 「本調子」に対して「2の糸が高い」のが「二上り」 「本調子」に対して「3の糸が低い」のが「三下り」 と呼びます。 【具体的な例】 「4本の本調子」:「1糸⇒ド、2糸⇒ファ、3糸⇒ド」 「4本の二上り」:「1糸⇒ド、2糸⇒ソ、3糸⇒ド」 「4本の三下り」:「1糸⇒ド、2糸⇒ファ、3糸⇒ラ#」
②用語「○本」
図の左端の「○本」の意味ですが、これは、音の高さを表しています。 三味線はもともと伴奏楽器です。
唄も入る演奏は、歌い手の声の高さによって音の高さを変える必要があります。 そこで、ピアノだったら鍵盤の位置が変わるわけですが、 三味線の場合は、弾く位置はそのままで、もともとの音を変えてしまいます。
1の糸を基準として、1本がラ、2本がラの#・・・・と数が大きくなるほど半音ずつ高くなっていきます。 このため、前述の4本はドになります。
(4)調弦器1:調子笛


調子笛」は数字表記かアルファベット表記
調子笛にはアルファベット表記でどこを吹けばどの音になるか記載してあります。 代表的な4本の二上りは チューナーで1の糸-2の糸-3の糸=ド(C,4)-ソ(G,11)-ド(C,4) に合うように調整します。 初心者の場合、調子笛ではわかりにくい場合もあります。 この場合はまず、チューナーで慣れてから調子笛に挑みましょう。
(5)調弦器2:専用チューナー


専用チューナーはKORGの三味線用チューナーをお勧めします。 次項のスマホアプリでも代用可能ではありますが 結局は専用チューナに行き着く方が多いです。
代表的な4本の二上りは チューナーで1の糸-2の糸-3の糸=ド(C)-ソ(G)-ド(C) に合うように調整します。
また、チューナー用ピックアップ(例:KORG CM300,SEIKO STM30)を購入すれば、 演奏会のような音の大きい環境でもチューニングが可能になります。
(6)調弦器3:スマホアプリ
私は、スマホアプリの「三味線チューナー」を利用しています。
すごく便利ですが、やはり自分の耳を鍛えないと、と思って調子笛でまずて召してからチューナーを使うと音が合うと嬉しいものです。
この感じを、”次も!”と思うのですが、まだまだ道は遠いですよ。
7)最終的には自分の体で覚える
チューナーや調子笛で調弦することに慣れたら、調弦器を使わずに調弦しましょう。 要するに体で覚えるという状態です。目安は「5~10年」だそうです。
よくうちの生徒さんで、動画を見てお稽古したつもりになるのですが、
「急がば回れ」で、できたら浴衣などを着て、踊りの練習をしなければ、体には身についたとはいません!
お教室で「あれ?あれ?と自分の体がうごかない!」という前に、動くような体にさせるまでお稽古しませんとね。
「本当に楽しんでやれることのみに、
人は最善を尽くせるという理論を私は固く信じている。
楽しめないことで秀でることは難しいのだ」