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日本書紀より神功皇后の三韓遠征の話(B-8)

執筆者の写真: 大和所作塾大和所作塾

神社仏閣

『日本書紀』には、日本の歴史と文化に大きな影響を与えた多くの逸話が記されています。その中でも、神功皇后の三韓遠征の物語は、特に興味深いエピソードの一つです。

この物語を通じて、古代日本人の価値観や倫理観を垣間見ることができます。




①神功皇后の三韓遠征

海・風の神に守られた船団

神功皇后の三韓遠征は、神の加護を受けた壮大な冒険として描かれています。

皇后の船団は、海と風の神々に守られながら対馬海峡を渡りました。

古代の日本人は、自然の力を神聖視し、その加護を得ることで安全な航海を祈願していたのです。


津波となった波

皇后の船団が対馬海峡を渡る際、自らが起こす波が津波となり、新羅の地へと流れ込みました。

この津波の勢いに恐れをなした新羅の王は、すぐに降伏を決意しました。

さらに、その話が高句麗と百済にも伝わり、両国の王も降伏することとなりました。

このエピソードは、神功皇后の威厳と神の力の象徴として描かれています。


降伏した王たちへの寛容

興味深いのは、神功皇后が降伏した三国の王たちに対して見せた寛容な態度です。

皇后は、降伏した王たちを快く許し、元の地位に戻すだけでなく、三国からの献上品よりも高価な下賜品を与えました。

この行動は、古代日本人の倫理観を如実に示しています。




②古代日本人の倫理観

異民族に対する寛容

神功皇后の物語は、古代日本人が「異民族であってもむやみに殺してはならない」と考えていたことを示しています。

降伏した者に対して寛容な態度を示し、彼らを再びその地位に戻すという行動は、日本の伝統的な価値観に深く根ざしています。

この価値観は、現代の日本社会にも受け継がれています。


和を重んじる文化

古代日本人は、争いを避け、和を重んじる文化を持っていました。

戦いが避けられない場合でも、相手を完全に滅ぼすのではなく、降伏した者に対して寛容な態度を示すことで、平和と安定を保とうとしました。

これは、神道の教えや仏教の影響を受けた倫理観とも深く結びついています。




③神功皇后の遠征が教えてくれるもの

リーダーシップと寛容

神功皇后の物語は、リーダーシップと寛容の重要性を教えてくれます。

皇后は強力なリーダーシップを発揮しつつも、降伏した者に対しては寛容であり、その地位を保障することで信頼を築きました。

このようなリーダーシップは、現代においても重要な教訓となるでしょう。


平和の追求

また、この物語は平和を追求する姿勢の重要性を強調しています。

戦いを避け、和を重んじることで、社会の安定と繁栄を実現するという古代日本人の価値観は、現代社会にも大いに参考になるものです。




④まとめ

『日本書紀』に描かれた神功皇后の三韓遠征の物語は、古代日本人の倫理観や価値観を理解する上で非常に重要です。

異民族に対しても寛容であり、和を重んじる姿勢は、日本の文化と精神を象徴しています。

現代に生きる私たちも、この物語から多くを学び、平和と寛容の精神を受け継いでいくことが求められるでしょう。



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