「あなたは日本伝統の衣装【kimono】について語ることができますか?」
はじめまして、
私は、和文化継承プロデューサーの倭文(しずあや)です。
伊豆の温泉旅館の長女として生まれ、 3歳より「 お茶」「 踊り」「 生け花」 「そろばん」などの日本文化の習い事をしながら、 日本のおもてなしの環境で育ちました。
現在「 和文化 教室の先生」「 和文化 アーティスト」「伝統工芸 職人」 の方々と共に「和伝会」コミュニティを運営し、日本文化を世界に広げる活動をしております。
海外での着物人気は私たち日本人の想像を超えてきています。
多くの外国人旅行客はレンタル着物を楽しみ、リサイクル着物をお土産に購入しています。
しかし、日本の現状はどうでしょう。
着物への憧れはあるけれど「 着物を着る」までに踏み出すことができないのです。
”世界から注目されている着物”を「難しそうだから」「知らないから」と距離を置き続けていてはもったいないです。
大人の日本人や世界を羽ばたくビジネスパーソンにとって「着物の知識を知る」ことは、豊かな感性と知恵が身に付き、外国人とのコミュニケーションを豊かにしてくれます。
「着物を着る」ことができると、上品かつ教養がある人に見られ、そしてブランディングが立って注目されます。
「①知ること」「②着ること」「③着せること」の順番でできることを目標に取り組んでいきましょう!
また、サスティナブルな社会を目指す現代において「物を大切にして使い切るリサイクル・エコロジーな知恵」も一緒に身につけることもできます!
今回は、日常や仕事に活かすために「教養としての着物」をまとめてみました
目次
序章
1-サステナブルな着物
2- サステナブルな着回し
3- 古くなるまで使い切る 着物の知恵
4-女性の体に優しい 着物
5- 女性の体を 守る 着物
6-家にあるもので着物を着る時代
まとめ
序章
昨今 取り上げられている 話題の言葉でとして、SDGs がありますが、
これは サスティナビリティ(持続可能)を実現するための手立て「サステナブル社会を実現するために掲げられた目標」ということです。
では、 サスティナブルは「 世界全体で美しい地球や私たちの生活を保ち続けるための設計や仕組みを考えること」を 意味 します。
今 サスティナブルな社会を目指す現代に 、物を大切にして 使い切る リサイクル、エコロジーは 知恵 の着物を通して学んでいきたいと思います。
1-サステナブルな着物
「着物を持っていません」 という方もいるかもしれませんが 、 あなたのお母さんは?おばあさんは?持っていませんか?
ある調査では全国の家庭のタンスに着物と帯 合わせて8億点、 購買価格で 40兆円相当が眠っていると言われています。(FNN プライム ライン)
丈夫で長持ちな 絹の着物は 何十年経っても色褪せず 美しいものです。
自分が着物に興味を持ってくれば 周りから自然と着物が集まってきます。
いただいたり、 リサイクル着物を利用したり、
おばあちゃんからお母さんへ そして 次世代の若者へ着物は受け継いで行きます。
SDGs ( 持続可能な開発目標)の達成が世界から掲げられています。
服の環境負荷への意識が高まる 昨今、着物 はまさに、サスティナブルな衣装であり長く付き合うために必要なことを教えてくれます。
2- サステナブルな着回し
着物を3世代に渡って続けられるのは丈夫だからという理由だけではありません。
時代を経ても美しい柄であり 、光沢ある美しい 生地であり 時間をたっても新鮮であること、 そして 「着まわしが効く」というところです。
「着物 1枚に 帯 3本」という言葉があります。
十何通りの着回しができるということです。 おばあちゃんの20代の着物でも帯を変えることで 新しい着物になったような新鮮なコーディネートができるのです。
また 帯揚げや 帯締めといった小物を変えることでいっぺんに変化し、 着回し パターンはその倍以上になるのでしょう。
このようなことができる理由には大きく2つあります。
1つは 着物は基本の形が同じなので上下のバランスに悩む必要がないからです。
着物の形は1 アイテムです 、帯のアイテムも一つです。
洋服コーディネートは T シャツ・ ワイシャツ・ブラウスなど上半身だけでも何十 アイテムもあり それに 下も同様に 多くのアイテム数があるので少し間違えると ちぐはぐなファッションコーディネートになりますよね。
もう一つの理由は、着物の面積比が9対1となっている着物は、洋服の1対1という対比が大きく違うので とても コーディネートしやすいのです。
色合わせが とても簡単で分かりやすく、例えば 黄色の着物に青い帯・ 紫の着物に緑色の帯など 洋服では難しい 色あせなどが
着物のコーディネートでは このような大胆な色合わせもできます。
3- 古くなるまで使い切る 着物の知恵
仕立て直しの 知恵
着物の生地は幅約40m 長さ約13m の細長い反物です。
その反物から長方形 8枚の布で着物はできています。
もし 頂いた 着物が小さかった場合 仕立て直しができます。 なぜならば 着物を 反物から仕立てるとき 余った部分を切り落として捨てることはないからです。
小さな 着物だったとしても大きくすることができます。
そしてその逆に大きなサイズの着物を小さくすることができるのです。
例えばお腹周りを折り返して縫い込む「内揚げ」という技術があります。
着物は 専門技術を持つ 和裁士さんの手縫いで仕立ててもらうのは基本です。
1本の糸を使い手縫いで直線縫いをした着物は、 縫い目に 遊びが出てストレッチが聞き 着心地が良く、仕立て直す時は糸の端を切って引っ張るとすっと抜けるので 鍵穴は目立ちません。
手縫いの仕立て だからこそ仕立て直しができるのです。 ミシンでは上下2本の糸で絡ませて縫うので糸をほどく手間がかかり 布に穴が残ってしまいます。
染め替える
洗ってもシミが目立ち、 洋服では捨ててしまうような場合や色の好みが合わなかったり そんな時 染め替えることができるのは 絹の着物の特徴です。
絹は蚕の繭から 取る タンパク質の天然繊維ですので、タンパク質である髪の毛を染めるのと同様、 脱色 や カラーリングができるのです。
頂いた祖母の20代の頃の着物が色鮮やかなピンクで 私には似合わない色だったので脱色して淡い色 に 染め替えました。
生地 そのものはとても上質でとても素晴らしい柄だったので 染め替えてみて 本当に自分がいつでもどこでも着たい着物の一つになりました。
リメイク
仕立て直しをしても染め替えても 着続けられそうになければ解いて帯にする または 帯揚げや 半襟にすることもできます。
下駄の鼻をや バッグ・ または 洋服やドレスにする デザイナーさんもいらっしゃいます このように 様々なものにリメイクできるのです。
江戸時代では 着物を洗ったり 仕立て直して 着続ける。
そしてさらに着れなくなったら解いて座布団 や布団、 袋物にしたり、 赤ちゃんのおしめ そして雑巾にして布として使い切るのです
最後は燃やして燃料として使い、残った灰「 灰買い」 という業者が 回収し、 土壌改良に使われたのです。
4-女性の体に優しい 着物
自分で上手に切れるようになると「着物が楽」という人が多いです。
着物は楽なだけではなく女性にとっては 体に優しい衣装なのです。
まずは「 冷え 対策」
「冷えは万病のもと」女性の健康と美容にはとても大敵です。
現代では冬の寒いだけでなく 夏の冷房に悩む方も多いですね。
そのため 腹巻などの温活グッズが発売されています。 温活に着物は おすすめです。
お腹周りに10枚もの布があてがわれている着方をしています。
着物が暖かい理由の一つはそこにあります。
では 夏は暑いでしょう?
夏の着物の生地は高温多湿の日本の気候にあった 軽くて涼しい 天然素材を使用しています。 しかし現代は冬よりも寒い 冷房対策をしなければならないのが現状です。
「夏こそ 着物」 私は本当に体感しています。
暑くて外を出歩くのは朝夕 ぐらい、 どこへ入っても20度以下の冷え冷えとした環境。
着物のお腹周りが布で折り返され、帯でくるまれているので、どこでも体を守り 温めてくれます。
腰痛持ちの方にも着物は おすすめ
帯は姿勢を正しく保つものです。「起きると背筋が伸びる」という方が多いのは当たり前です。 腰に不安がある方は 帯が コルセットのように腰を支えます。
猫背になりがちな デスクワークにも着物を着ていると楽です。
腰痛を治すことはできなくても和らげたり予防になることは間違いありません。
外反母趾の方
足に合う靴が見つからないと悩んでいる方はオーダーという選択肢もありますが、日本の伝統的な履物である草履や下駄を試してみてください。
鼻緒に指を突っかけるだけ の履物。
とても楽で、足指がよく動くようになり体にとっても良いとされています。
靴でも合う合わないがあるように 初めて 浴衣を着た時に「鼻緒が痛い」 という 経験があるかもしれませんが 、
これも自分の足にように「鼻緒を挿げかえる」ことをしてもらった草履や下駄は、とても快適です。
手足が冷えることも
腰が痛いことも
足が痛いことも
当たり前ではないのです。
体に快適でないものを着続けることはできないのではないでしょうか。
体を大切にするためにも着物を提案いたします。
5- 女性の体を 守る 着物
新しい服や下着を試したら痒くなった、 発疹ができたという経験はありませんか?
衣服で肌にかゆみや 発疹が出てしまう皮膚炎には、 素材 素材が肌に当たった時の摩 素材が肌に当たった時の摩擦で肌が負けてしまう場合、 布についている染料などの薬品に肌が反応する場合があるそうです。
着物はそんな肌の悩みがある方に洋服とは違う選択技を与えてくれます。
着物は四角い布を体に合わせて着るので ぴったり体に沿う 衣装ではありません。
帯を巻く お腹以外は、布と皮膚の間に「 遊び」の空間があるのが 着物。
腕から足まで布が当たる 洋服が苦手な方に着物はよくできた 衣装です。
着物の素材が絹であるため 肌に良い効果がわかってきています。
絹糸を取る 繭は解雇がさなぎになって成虫になるまでの10日間、 身を守るものだからです。
中の蛹を守るために 繭には、
・さなぎが呼吸できるよう 通気性がある
・ 紫外線から蛹を守るために UV カットしている
・カビやウイルスから守る 殺菌性がある
・ 乾燥しないよう保湿性がある
・温度を一定に保てるよう保湿性がある
・タンパク質
といった性質を 元々持っています。
この眉の特徴 そのものが肌に良い理由 なのです。
現代では電化製品によって 電磁波にさらされたり、電気を通さない 化学繊維の服や靴を着て不要な電気を体に溜め込んでしまったりして、頭痛や耳鳴りなどの不調を抱えている人が少なくないと言われています。
そこで素足で 芝生や海岸を歩いたり、木に触れたりすることで電気を大地に流す アーシングという健康法が注目されています。
そこで 電磁波対策として着物が見直されつつあります。
絹や 麻といった 自然素材は、電気を溜め込むのを防ぎ、 電磁波から体を守る効果が期待されています。
まとめ
日本の風土の中で1000年 育まれてきた着物は 絵柄や素材の美しさ で 日本だけでなく世界中の人を魅了し続けてきました。
さらに サスティナブルであること、 体にも良いことなどから、着物の価値が 再発見されています。そして 着物は何て懐の深い衣装 なのだろうと思うのです。
頭のてっぺんから足の先まで全て着物店で揃えなくても良いのです。
代用で着るものを探してみると着物と一緒に使えるものが多く見つかります。
長襦袢がなければ シャツや ロング スカートを中にきてもいい。
草履や下駄がなければブーツを履いてもいい。
帯締めの代わりにベルトをしめてもいい。
着物用のアウターを買わなくてもストールを羽織ればいい。
バッグ だって 様相のクラッチバッグや ポシェットを合わせたら良いのです。
様相のアイテムと組み合わせれば個性的な着方もできるところが 着物の良さの一つだと私は思います。
「変化できたものが生き残る」 とは 進化論を唱えた ダーウィンの言葉ですが、 着物も 千年の間、 時代時代の流行モードを取り入れ ゆっくり変化してきたことが 着物の強さなのだと感じます 。
今 改めて着物の魅力を見直し、 大切に 次世代に残すこと、新たな要素を取り入れた変化することを見定める時期にいるのではないかと思うのです。
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