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第1章【走らない!ーゆったり生きるための所作ー】

更新日:1月15日

【走らない!ーゆったり生きるための所作ー】

①廊下を走ってはいけません。

 

「身心ー如」:身体の動作が心をざわざわと騒がせたり

焦らせたりするのです。

 

また、心が騒いだり、焦ったりしていると

走るという身体の動きとなってあらわれてしまうのです。

 

「走らない所作」に込められたものとは

”静かに心を整えている”ことなのです。


花びらを抱える銅像



②ゆっくり動く

 

「忙しい」という字は「忄=心」と「亡」

心を亡くすということ。

 

あわただしく、忙しく動いているときは

心が忘れられない、何をするにも心が入っていない。

 

コーヒー1杯、企画書1枚作成しても心あらずでは

おいしくも、人を感動させることもできません。

すべてが粗末なものになります。

 

「行住坐臥」(ぎょうじゅうざが)

歩く、とどまる、坐る、寝る

すべての立ち居振る舞い、動き一つ一つが修行であると禅は言う。

 

「能」の動きを思い出してください。

心をのせた動きの”真骨頂”を表現しています。


モノクロの花



③自分の足元を見つめなさい

「履き物を揃えるか、揃えないか」ということで

実は心がそのまま映し出されていることをご存知ですか?

 

足元を見つめるということは、その瞬間に自分が

やるべきことを見定め、正しく把握するということ。

 

履き物を脱いだ瞬間にやるべきことは

当然、揃えることではないでしょうか?

 

「急いでいるから、面倒だから、奥さんがきれいにするから」

と脱ぎっぱなしにするのは

「自分のやるべきことがわからないから行動できない」

ことにはなりません。

 

なかには、履き物にはズボラだが、他の大切なことはしっかりとやるという人がいるかもしれません。

 

しかし ”生きる” ということは

そう都合よくいかないのです。

 

人生は瞬間瞬間の積み重ね!

 

ゆがんだ取り組み、考え方、向き合い方をしたら

ゆがんだ人生が紡がれていくと禅では説いております。

 

どんなときでも、脱いだ履き物はきちんと揃える

「脚下照顧」です。


水色のアジサイ



④見えないところほど手をかける

 

できるビジネスマンは常に靴が磨かれている

とよく言われます。

 

昔から「足元を見る」という言葉があります。

江戸商人は草履や下駄の手入れが行き届いていれば

「隅々まで心配りができている人物」

だから、お金を貸しても大丈夫

という判断基準が今に根付いているのではないでしょうか?

 

昔は足元は視線から届きにくく、見えにくい部分なのですが

実は人物判断の決め手になっていたのです。

 

また足元は履き物だけではありません。

 

だらしない足の置き方で立っていたり

貧乏ゆすりや、足を小刻みに動かしたり

足元がだらしない。

 

足元にも気配りができるあなたは

心の置き方も落ち着いて心豊かな人でしょう。


花の茂み



⑤ゆっくり歩くとまわりが見える

現代人は ”とにかく歩くのが速い”

足早に歩くと周囲が見えません。

 

ちょうど動画を倍速にしているようなもの。

一応目にははいるが感性にはいたらない。

 

ゆっくり歩くと周囲が見え

感性が働き始め、自然が感じられます。

 

自然を感じると生きている実感をヒシヒシと感じる。

すると生きることのよろこび、幸せが心の底から

湧き上がってきます。

 

自然が伝えてくれるものをあるがままに

受け入れる人は、心が整っている人です。


ピンクの花びら



⑥丁寧にいただく

「いただきます。」は何をいただくのでしょうか?

 

肉・魚はもちろん、野菜や果物・・・

それは「命」をいただいています。

 

私たちはほかの命をいただいて生きている。

いえ、生かされているのです。

 

「命をいただく基本的な作法」は

感謝を込め、余計なことを考えず丁寧に一生懸命に

そして楽しんで食べる。

 

その心持ちでいたら、

箸運びも自然にゆっくりとしたものになります。


グリーンの植物



⑦精進料理の意味を毎日に活かす

禅の修行僧の食事を「精進料理」と言います。

 

「目鼻口のあるものはいただかない」

しかし野菜も果物も命あるものと考えているが

これらは根を残しているので再生して命が

つながれているということ。

 

修行中の食事はとても質素です。

3ヶ月は空腹で修行僧はみんな数キロ

いや、10キロ以上やせるそうです。

しかし、3つの効果が出るそうです。

 

①空腹で頭が冴える

②色白で透けるような肌になる

③心がおちつき集中力が高まる

 

みなさんも野菜料理をつくって、じっくりとかみしめ、心を整えましょう。


ピンクの葉



⑧ゆっくり会話する、じっくり話を聞く

 

現代の会話は ”会話が途切れない” ことに

注目がいきすぎていると思います。

沈黙に対する不安があるのでしょうか?

 

自分の喋りたいことを一方的にしゃべり

しゃべり終えたら、今度は相手がしゃべり出す。

その間自分は休けい又は次のしゃべることを

考えている。

 

これでは話が噛み合うはずがありませんね。

 

禅語「面授」

相手ときちんと向き合い、伝えたい想いを伝える。

相手の心を受けとる。

 

※言葉を思いつくまま連ねるのではなく

自分の想いを伝えるのに

どんな言葉がふさわしいか

それを選びながらゆっくり語る。

相手の心にひびいていれば絶妙な「間」ができ、

会話の密度を高める。

相手の聞く態度もさらに整うことでしょう。


野生植物



⑨ときには立ち止まってもいい

いつも「先に、先に」「前に、前に」だと疲れませんか?

 

立ち止まり、振り返る時間も必要なのではないでしょうか?

 

「一日一止」という言葉があります。

「一」と「止」を組み合わせると「正」しい

という字になります。

 

つまり、生きていくうえで立ち止まることは正しいのだ。

と、この言葉は教えています。

 

また「七走一坐」があります。

走りっぱなしはものごとが見えなくなります。

七回走ったら静かに坐って、走り方は正しいのか?

ペース配分はこれでよいのか?

方向は間違っていないか、ということを

見直しなさいとうい禅語です。


青い花



⑩ときには走る

「三昧」という仏語をご存知ですか?

ゴルフ三昧、すしざんまい?読書三昧

 

「雑念を取り払って一心にひとつのことに集中・没頭すること」

現在、無心で何かに取り組むことが少ないのではないでしょうか?

 

無心とは何ものにもとらわれない自由な心

 

心の中の雑念がはなれ、

心が空っぽになっていく境地

 

私は踊りのお稽古三昧で無心になります。


紫色の花の蕾



11. 無心で坐る

マインドフルネス、瞑想など、今でも耳にいたします。

 

もとは「無心で坐る→坐禅」からきたものです。

 

やったことがある方はわかると思いますが

やたらいろいろな思いが浮かんできます。

 

「考えてはいけない」と思えば思うほど

とらわれていってしまいます。

 

よい方法は

「放っておけばよい」

 

静かな水面に小石を投げ込むと波紋ができます。

それを止めようと手を出すとまた別な波紋が生まれます。

 

何もせず放っておけば自然に消えます。

心も、水面のようなものではないでしょうか。

 

自然にまかせていればよいのではないでしょうか。


赤い小さな花々



12. 寝る前30分の過ごし方

医療機器メーカー オムロンが手がける

「ねむりラボ」プロジェクト

被験者のほとんどが6時間中2時間以下の睡眠効率35%以下と、

”ぐっすり”眠っていないことがわかりました。

 

修行中の禅僧は「夜坐」

寝る前に坐禅をして心穏やかになってから眠りにつく。

 

自分にとっての夜坐を見つけましょう。

音楽を聞く、お風呂でリラックスする、

本をよむ、香をたく(アロマ)など。

 

ポイントはそれをすることで

「癒される」「気持ちがおちつく」ということですね。


白い胡蝶蘭


【走らない!ーゆったり生きるための所作ー】

走らない!ーゆったり生きるための所作ーはいかがでしたか? 次は第2章【あわてないーゆったり生きるための所作ー】へと続きます。



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